Birgit Lystager : Birgit Lystager | エヴァーグリーンをさがして。

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Birgit Lystager廃盤
Birgit Lystager : Birgit Lystager ('70)

「この人のCD探しているんだけど、知ってる?どこにも置いてないの」
彼女は私に"Birgit Lystager"と綴ったレシート大のメモを差し出した。
「んー、バル..いや..バージッ...ト...リー...ステー...ジャー?なんて読むんだろ、知らんなあ」
なんでも以前、彼女が務めていたお店のBGMにと、自ら選んで購入したという。
「すごくお気に入りで、よくお店で流してたんだ。ほら、あの曲入ってるの、ラララーラー...♪」
「ああ、トリステーザ!レコ屋行ったついで探しとくよ」
この3年前のやりとりから間もなく、"Suburbia Suite"に大判でジャケとレビューが掲載されているのを確認。偶然は続き、広尾のとあるカフェで流れていた魅惑のヨーロッパ・ミーツ・ブラジル。一聴で虜にさせた。
「いいですね、コレ」
「いいでしょう~」
「え、今流してるのって、ここに置いてあるCD?」
「うん、そう」
と、手に取ったCDには記憶に焼き付けたBirgit Lystager女史が微笑みかけている。
「うわ~コレ!探してるんですよ!コーヒーお替わり!」

アーティスト"B"の棚は隈無くチェックする日々が続いた。お高く飾られたヴィンテージ盤は見かけることは稀にあっても、再発盤には出逢えないという珍現象を目の当たりにするくらい手放す人が居ないことは"北欧ソフトロック最高峰"の肩書きが証明していた。

時は流れ、念願叶ってようやくレコードを入手しました。しかし、CDを見つけるまで彼女には辛抱願おう。

これまでの苦労なんて何処吹く風、オープニングを飾るアントニオ・アドルフォの傑作"Vores Eget Little Sted (Pretty World)"から一瞬で幸福感に満たされます。ビアギッテ・ルストエアー(と読むらしい)の凛としながらも優しさを包み込んだ歌声は、ジャケットに写った彼女の人柄そのままに表れているよう。
ビートルズ、バート・バカラック、カーペンターズといった当時のポップス界を代表するアーティストのカヴァー曲を中心に、珠玉の名曲で構成されていますが、オリジナルを凌ぐほどの圧倒的なクオリティ。特に
輝きを放っているのが"Christina (Tristeza)"であり、数あるTristezaカヴァーの中でも一番。子供達の最高にキュートなバックコーラスが彼女の魅力を一層引き出すことに成功しています。
Tristezaとは「悲しみよさようなら」の意。このアルバムを聴き終えるころには悲しみはきっと、忘却の彼方にあるさ。エヴァーグリーン認定盤。
っと、最後にひとつ。バックを務めるメンバーがすごいことになってます。その名もアラン・ボッチンスキー・オーケストラ!

せっかくなので載せときます。
Allan Botschinsky Orkester (On Tracks 1,2,3,5)

Allan Botschinsky (arrangement,flh)
Perry Knudsen (tp)
Ray Pitts (fl,ts)
Ole Kock Hansen (org,p)
Ole Molin (g)
Niels Henning rsted Petersen (b)
Bjarne Rostvold (d)


Side-1
1.Vores Eget Lille Sted (Pretty World)
2.Mansen På Højen (Fool On The Hill)
3.Nær Ved Dig (They Long To Be Close To You)
4.Jeg Venter På Et Vink (Gimme Little Sign)
5.Birger (Sunny)
6.Gå Din Vej (Wight Is Wight)

Side-2
1.Christina (Tristeza)
2.På Regnbuevej (Make It With You)
3.Aldrig Bli' Forelsket Mer' (I'll Never Fall In Love Again)
4.Så Har Vi Hinanden (Melting Pot)
5.Vis Mig En Vej (Sometimes)
6.Smilende Susie (Pretty Belinda)